赤ちゃんは、生まれつき耳が聞こえにくいこと(先天性難聴)があります。300人に1人と比較的多くみられる異常ですが、これまでいい検査法も治療法もありませんでした。最近、アメリカで自動聴性脳幹反応(AABR)が開発され、赤ちゃんの難聴がほぼ100%発見できるようになり、しかも、赤ちゃんの頃から補聴器をつけて訓練すれば、ろう学校に通う子供がかなり減ることがわかってきました。そこで欧米では、出生後全員にこの検査を行う国が増えており、その結果、聴覚障害で苦しむ子供が確実に減ってきています。

 

 日本でも、厚生労働省が 1998年より5年以内に赤ちゃん全員にこの検査を行うことを決定し、当院ではこの検査を1998年の早期に導入いたしました。最近は全国のほぼすべての病院で行われています。三重県ではほとんどの市町で3000円の補助が出ますので、2000円の自費負担になります。是非この検査を受けられることをお勧めします。  


赤ちゃんに刺激音を聞かせて脳波を測定し、脳波の波形により自動的に聴カの異常を見つけ出す検査です。額に脳波の電極を貼り、耳にヘッドホンをあてるだけで、体には全く害はありません。簡単な検査ですが、非常に高い正確さで先天性難聴が発見できます。


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