・不妊治療はしていますか
・不妊症とは
・いつ受診したらいいですか?
・基礎体温と排卵、LH測定
・毎日セックスすると妊娠しにくい?
・子宮卵管造影について
・基礎体温が測れない
・HCG注射後に妊娠検査が陽性に出る
・妊娠できるかどうか調べてほしい
・当院の不妊症治療について
・痛くてセックスができません
・セックスがうまくできません
不妊治療は行っていないのでしょうか?教えてください。 |
紀平正道医師は、名古屋大学で不妊症と産科学の研究をしておりましたので、もちろん不妊治療は得意としております。できれば、火・木・土曜の婦人科外来にご来院ください。 |
結婚して6ヶ月経ちました。早く赤ちゃんが欲しいのですが、不妊症なのでしょうか? |
不妊症とは、正常な性生活を営んでいるにもかかわらず、一定期間以上経っても妊娠しないもので、その一定期間は一般に2年といわれています。したがって、6ヶ月できないからと言って不妊症ではありません。 正常なカップルが1ヶ月の間に妊娠する確率は、20-25%です。その場合、3ヶ月以内に50%、6ヶ月以内に75%、1年以内に90%が妊娠します。言い換えると、6ヶ月では4人に一人はまだ妊娠できませんので、あせる必要はありません。 ただ、1年になると10人に一人になりますので、本来の不妊症とは言えませんが、治療を始めるのが一般的です。あせらずに、1年になっても妊娠しなければ検査や治療を始められたらよいと思います。 早くから検査や治療を希望される患者さんもおみえですので、早くから治療を開始される先生もあります。しかし、治療しなくても自然に妊娠できるのなら無駄な治療をしたことになりますので、当院ではあまり早くからの治療はお勧めしておりません。ただし、排卵障害があって排卵の起こらない方は、排卵なしでは妊娠しませんので、排卵障害の治療は早くから開始すべきだと思います。 |
不妊治療を受けたいと思います。いつ受診したらよいでしょうか? |
日まず、排卵の頃に前の晩にセックスしてからご来院ください。超音波で排卵が起きるかチェックして、フーナーテストといって子宮口のおりものをとって精子が入っているかなどを調べます。 生理痛の強い方は、採血して子宮内膜症という病気のチェックをしますので、生理の1-3日目のころにご来院してください。 排卵障害のある方は、生理の5日目より排卵誘発剤をお出ししますので、生理の1-5日目におこしください。 |
基礎体温を付けていますが排卵日がいまいちわかりません。本でその様な検査が病院で受けられる書いてあったのですが?本当ですか?そして検査料金は、どれくらいですか? |
体温表の説明でも、基礎体温が下がった時が排卵と書いてあることが多いですが、実際にその日に排卵が起きているのは30%程度です。
昔は体温表で排卵日を推定していましたが、最近は超音波で排卵を確かめるのが普通です。超音波を見て排卵前の卵胞を確認し、翌日その卵胞がつぶれていたら排卵が起きたと判断できます。
基礎体温と実際の排卵日を超音波で確認してみると、体温が下がる2-3日 前に排卵が起きることもありますし、体温が上がって4-5日して排卵が 起きることやさらに無排卵黄体化現象と言って体温が上がっていても排卵が 起きていないこともあります。
したがって、体温で排卵日を推定するのは無理なのが現実です。 体温が下がると排卵日ということにしておくと、前もって排卵日が分かる ことになり、患者さんに基礎体温をつけてもらうのにとても都合がよかった のだと思います。
では排卵日がわからないのなら基礎体温は不要なのかというと、そうではなくホルモンの流れをみるのにとっても有難いものですので是非続けてください。
排卵前にLHというホルモンが増えるので、尿中のLHを調べる検査があります。 ご質問の検査はこのことかと思いますが、病院でも使っていますし、薬局でも 売っています。1回1000円程度です。排卵誘発剤を使っている場合は、保険も効きます。
しかし、尿中LHの検査は尿の濃度で大きく結果が変わってきますので、 あまり正確な排卵日はわかりません。したがって、患者さんがこの検査のみ で排卵を正確に予想することは困難です。当院では、超音波を中心に検査してLHの検査は参考にしている程度です。 ご希望でしたら、排卵が近いと思う頃に、ご来院ください。 実際のことを言いますと、特に不妊症でなければ、検査にお金をかけて排卵日をチェックして排卵日に義務的にセックスするより、セックスの回数を増やすほうが妊娠はしやすいです。
妊娠した人に聞いてみるとわかると思いますが、排卵日だけを考えてセックスして妊娠したのではないと思いますがいかがでしょうか。何も考えずにセックスしているうちにいつの間にか妊娠することがほとんどだと思います。
たくさんの不妊症の方を診ていると、日を決めてセックスすることはご夫婦、特にご主人にかなりのストレスを与えているといつも心配しています。そんなこと考えずに楽しくセックスする方が簡単に妊娠に結びつくのではと思うこともよくあります。
長々書きましたが、LHの検査は以上の理由であまりお薦めしませんが、 一度試してみたいということなら、お譲りしますのでご来院ください。 |
毎日セックスすると精子が薄くなり妊娠しにくいと言われたのですが、本当でしょうか? |
毎日セックスすると妊娠しにくいと言うのは、全くのでたらめです。確かに精子はやや薄くなりますが、薄くなってもいつも精子があるわけですから、当然毎日の方が妊娠しやすいです。それを確かめたアメリカの研究論文もあります。 |
昨日とある病院で卵管の検査をしました。造影剤を入れてレントゲンをとりました。 この造影剤は自然に流れ出てくるものなのですか。 今月妊娠しても造影剤が悪影響を与えると言うことはないのでしょうか。 それといつくらいまで検査後の出血があるのでしょうか。 |
子宮内の造影剤はすぐ流れ出てきます。造影剤には、水溶性と油性のものがあり、病院により使う造影剤が違います。油性の造影剤は簡単には吸収されませんので、 卵管を通ってお腹に入った油性の造影剤は当分残ります。水溶性のものはすぐ吸収されてなくなります。 今月妊娠しても造影剤やレントゲンが悪影響を与える心配はありません。 検査後の出血は2-3日出るのが普通ですが、検査方法によって違います。 病院によって、検査方法や造影剤も違いますので、できるだけ主治医に直接質問されることをお勧めします。 |
そろそろ2人目をと考えているのですが、数ヶ月妊娠する様にがんばっているのですが出来ません。 基礎体温を付けようと考えているのですが、一人目の子が寝相が悪く朝方などよく起こされ、起きる時間もまちまちで本に書いてある様に毎朝同じ時間に身体を動かさずと言うのは、とうてい無理です。 起きる時間や身体を動かしてからでも基礎体温を測った方が良いのでしょうか?以前は高温期と低温期のバランスが悪く妊娠しにくいと診断を受けたのですが妊娠、出産を経験しても良くはならない物なのでしょうか? |
以前は基礎体温を中心に排卵日を推定していましたが、最近は基礎体温 では排卵日を特定できないことがわかっていますので、基礎体温は不妊治療にそれほど重要なものではありません。 必ずしも測らなくても不妊治療はできます。測る場合でも低温期と高温期がだいたい判れば充分ですので、3日に1回計れなくても大丈夫です。また、測る場合は、 何時に起きるかよりも動かないうちに測る方が大事です。
高温期と低温期のバランスや高低が問題なのではなくて、高温期が短いと妊娠しにくいです。12-16日間が正常です。
排卵だけではなく、精子や子宮や卵管などどこに問題があっても妊娠できないですから、妊娠を希望して1年以上できないようでしたら、検査・治療することをお勧めします。(2001.10) |
2回の流産のあと、毎周期ごとにクロミッドの内服と高温期にHCGを2回うつ・・・この繰り返しで7ヶ月たちましたが、なかなか妊娠できません。私は流産が心配でいつも排卵後14日目にチェックワンをしてしまうのですが、その時は毎回うっすらと陽性になるんです。でも16日目にはもう生理が来てしまいます。 |
チェックワンなどの妊娠検査は、胎盤から作られるヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)の有無を調べる検査です。このHCGは、注射剤として高温期の維持や排卵の刺激にも使われます。したがって、高温期にHCGを注射した後、妊娠検査が薄く陽性の後すぐ生理がくるのは流産ではなく、注射のためです。もったいないだけですから、生理が1週間は遅れてから検査した方がよいと思います。(2001.10) |
現在婚約中です。正常に妊娠できる体か調べたいのですが、検査できるでしょうか? |
残念ながら、正常に妊娠できるかどうかはいくら調べてもわかりません。10組に1組の夫婦は不妊症であり、そのうち40%は男性に原因があり、また不妊症の20%は機能性不妊(原因不明性不妊)といって現在の医学では原因は不明です。ですから、結婚前に女性のみ検査して異常がなくても、男性側が原因であったり、原因不明の場合があったりで、妊娠できるかどうかはわからないのです。 また、結婚前に妊娠できないとわかれば婚約が解消になる可能性もあって、妊娠前には検査しないのが普通です。これは、男性にもあてはまります。それでも検査を希望される場合は検査しますが、結果に問題があった場合も含めてよく相談してから検査するようにしています。(2003.8) |
セントローズクリニックで行われる不妊治療について教えてください。 |
一般的不妊症治療をしています。不妊治療は、患者様にとって精神的・経済的負担になることがよくあります。そうならないようのんびりと焦らずに治療することを心がけています。(2003.8)
『不妊症』 不妊症検査全般、腹腔鏡など一般的な不妊治療はしています。各種排卵誘発、AIH,FSP,DIPIなどを行っていますが、現在のところIVFについては専門病院を紹介しています。できるだけ最低限の治療で妊娠できるよう努めています。 IVFの安全性や費用を考えると、IVFに頼らない不妊治療が、患者様にとって利益になるのではと考えています。
『不育症』 不育症の各種検査とリンパ球療法などの治療を行っています。
『男性不妊症』 精液検査やホルモン検査を行っていますが、精査・治療が必要な方は専門病院を紹介しています。 |
私は結婚して2年になりますが、あまりの痛さに性交渉が出来ません。前に婦人科でみてもらった事があるのですが、異常はないとの事でした。処女膜を切開して拡げるような手術はあるのでしょうか?子供も欲しく、大変困ってます。どうかアドバイスをお願いします。 |
腟を拡げる手術はできますし、簡単な手術です。また、日本性科学会開発の腟の拡張器(http://www14.plala.or.jp/jsss/active.html)もあります。しかし、セックスの痛みは恐怖心が一番の原因であることが多く、本当に腟に異常がある場合以外は、手術や拡張器で改善するとは限りません。まず、腟の状態を確かめてから、手術などが必要かどうかを判断することになります。異常がない場合、潤滑用のゼリーまたは麻酔用ゼリーを塗ってからセックスします。気長に試してみるうちに、うまくできるようになります。
ご質問の方は、その後、麻酔用ゼリーでにより、次のメールをいただきました。 「おかげ様で痛みを我慢でき、性交することができました!まだ時々痛い時もありますが、我慢できる程度です。本当にありがとうございました。」(勝手に掲載して申し訳ありません)
性交痛でお悩の方は、意外とたくさんあります。人には相談しにくいので、一人で悩むことが多いようです。まず、一度産婦人科を受診して相談されるとよいと思います。(2005.5) |
セックスがうまくできません。セックスカウンセリングはしていただけますか? |
残念ながら、当院では行っておりません。セックスカウンセリングについては、日本性科学会(http://www14.plala.or.jp/jsss/index.html)または日本性科学会カウンセリング室(http://www14.plala.or.jp/jsss/counseling/)にお問い合わせください。(2005.5) |